ジャンル：青年マンガ、ヒューマンドラマ、日常
作者：深海 紺(ふかうみ こん)
出版社：フレックスコミックス
掲載誌：COMICメテオ
連載状況：完結（2018年 - 2020年）
巻数：全3巻
概要
好きだった親友の娘を引きとりました――。人づきあいが苦手で、どこにいても居場所がないと感じているみどり(31)は、中学時代好きだった親友・つぐみの葬儀で、つぐみと瓜二つな彼女の娘・春子(14)と出会う。……居場所がないみどりと居場所をなくした春子、そんなふたりが織り成すセンシティブ同居譚。
【引用：『春とみどり』 作者：深海 紺】
あらすじ
本作の主人公である みどり は、学生時代からうつむいてばかりで、職場でも会話をすることなく、学生時代から友達が一人しかいませんでした。しかし、その親友も31歳という若さで亡くなり、みどりは孤独に打ちひしがれます。その時、親友であるつぐみそっくりの少女、春子が現れ、その少女がつぐみの娘であることを知ります。本作は、そんなみどりと春子の切なくも優しい日常を描いた作品です。
幸せについて考えさせられる
居場所がないみどりと居場所をなくした春子が共に暮らすこととなり、様々な影響が現れお互いに価値観が変わっていきます。そして、少しずつ変化していく中で小さな幸せを見つけていく様子は読み手も深く考えさせられ、自分の人生に対しての向き合い方、そして幸せについて考えさせられます。
切なさの中にも優しさを感じられる
本作の主人公みどりは、学生時代に親友と共に過ごした時間を除けば、31年間、常にうつむいてばかりの人生を送ってきました。しかし、31歳を迎えた年には、つぐみの娘である春子と出会い、これまでの日常とは景色が変わり始めます。ただ、慣れないことも多く、最初は戸惑いながらも新しいことに挑戦していきます。そんなみどりと春子の日常は、切ないテーマの中にもほのぼのとした場面も描かれており、心が優しさに包まれます。
『・・・私は 何をしてあげられるんだろう
－今まで逃げてばかりいたから こんな事もわからない・・・』
雪平 みどり
【引用：『春とみどり』 作者：深海 紺】
『・・・うつむいたからって 周りの目から逃げられるわけじゃないし それならいっそ 前向いた方が楽な時だってあるよ』
橘 春子
【引用：『春とみどり』 作者：深海 紺】
まとめ
本作は、少し変わった日常を描いていますが、その本質にあるものは優しさで、読み終えると、切なくも優しい感情にさせられます。そして同時に、登場人物の心情真理が繊細に描かれており、読み手が深く考えさせられる作品でもあります。描かれている内容も、普段目を背けていることであったり、核心をつかれるようなことが多く、読み手にも何かきっかけを与えてくれるような作品です。
以上、心が疲れた時に読んでほしい漫画『春とみどり』でした。
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