ジャンル：青年マンガ、ヒューマンドラマ、職業、お酒
原作：城 アラキ（じょう アラキ）
作画：加治 佐修（かじさ おさむ）
出版社：集英社
掲載誌：グランドジャンプ、グランドジャンプPREMIUM
連載状況：完結(2013年 - 2015年)
巻数：全8巻
概要
パリでの修業を経て、東京・銀座へと戻ってきたバーテンダー・佐島蓮。
最初の客である老舗呉服屋の主人に、銀座にフラフラした若造が紛れ込むのは迷惑だと告げられるが…？
【引用：『バーテンダー à tokyo』 著者：城 アラキ】
あらすじ
パリでの修業を経て日本へ戻ってきた主人公の佐島蓮(さじま れん)は、舞台をパリから東京・銀座へと移します。そして、東京・銀座という独特の文化は主人公の人生に何をもたらすのか、本作も一話一話が主人公、そして読者の方の心に語りかけてきます。
バーやお酒についての知識を学べる
『バーテンダー』シリーズの特徴で、本作もたくさんのお酒が登場するので、バーでの振る舞いや、バーテンダーという仕事、カクテルからウイスキーまで幅広いお酒についての「知識」が学べます。そして、バーテンダーという世界を通じて様々な人間の心情真理が描かれている為、1人の価値観だけではなく、多くの登場人物の価値観を学べる点も『バーテンダー』シリーズの特徴です。
登場人物の過去から学ぶものが多い
本作の登場人物の１人に、鹿島 守（かしま まもる）という人物がいます。鹿島は、主人公が働くバーの先輩にあたります。しかし、鹿島は普段、ムードメーカー的な存在ではありますが、自身の実力に日々、焦りや不安を抱えており、腕の立つ主人公が後輩として入店したことで、更にその感情が増幅します。
そんなある日、常連のお客様が来店され、鹿島は大きな失敗をしてしまいます。そして、その失敗の理由というのが、「志」でした。
本作の特徴としては、前作のパリ編を経て成長した佐島連の東京での奮闘する姿にありますが、これまで明かされることのなかった、「それぞれの登場人物の過去」というものも少しずつ明かされていきます。
バーテンダーという仕事が主にはなりますが、その過去や日々抱える思いは、現代を生きる人に、共感する点が非常に多いように感じます。鹿島もその内の１人で、読んでいく内に、登場人物だけでなく、読者の方にも気付きを与えてくれる、そういった場面が多く描かれています。
漫画『バーテンダー à tokyo』で語られているセリフの一部。
『人の生はしょせん無意味だ しかし意味がないからこそ 自分の手で己の生きた証を残したい
それがさそりの願いほど 純粋なものではなかったとしても この「一期」今 自分の一生の全てがここにあると信じて』
大場 純一
【引用：『バーテンダー à tokyo』 著者：城 アラキ】
『人には立ち止まる時が来る それはいい その時に顔がどちらを向いているか
過去にこだわり後ろ向きで立ち止まることを「後悔」という そして 未来を見つめ前向きで立ち止まることを「覚悟」という』
八代 純一
【引用：『バーテンダー à tokyo』 著者：城 アラキ】
まとめ
世の中には、自分の想像以上に過酷な環境で働いている人がいます。そして、それが人を守る仕事であっても、環境によっては、自身の精神を守れず精神的に追い詰められることがあることもあります。
作中にも様々な心の闇を抱えている方が登場していますが、世の中には、その心の闇を話すことが出来ず、長い間、胸に抱えている方もいらっしゃると思います。本作は、そういった方に読んでいただきたい作品です。
以上、心が疲れた時に読んでほしい漫画『バーテンダー à tokyo』でした。
注意
本作品は、城 アラキさんが書かれている『バーテンダー a Paris』の続きから始まっている為、上記作品を読まれていない方は、先に第二章である『バーテンダー a Paris』から読んでいただくことをおすすめします。
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